子供の近視抑制
ワックとミドリン点眼薬の併用
「ワック」と「ミドリン点眼薬」を組み合わせることで、近視の進行を効果的に抑える方法を採用しています。最初の3ヶ月間で効果を判断し、必要に応じて治療を継続します。
ワックの効果
ワックは、5分間機械を覗くだけで、遠くの風景を眺めているのと同じ効果があります。内部の画像が変化するため、お子様でも飽きずに治療を続けることができます。立体的な画像が動くことで、毛様体筋が緩んだり縮んだりして緊張が取れ、近視の改善が期待されます。
ミドリン点眼薬の効果
ミドリン点眼薬は、毛様体筋の緊張を和らげる調節麻痺剤です。近くを見る作業が続くことで発生する調節緊張(仮性近視)を解消し、近視の進行を抑える効果があります。副作用として充血などのアレルギー反応が稀に見られるため、医師の指導に従って使用してください。
ワックと低濃度アトロピン点眼薬の併用
低濃度アトロピンは、近視の進行を抑える効果がある点眼薬です。
費用は自費扱いとなりますが、継続的な使用で効果が期待できます。
料金のご案内
内容 | 料金 | |
初診時 | 診察代+検査代+ アトロピン1ヵ月分 | 8,800円 (税込) |
再診時 | 診察代+検査代+ アトロピン3ヶ月分 | 9,900円 (税込) |
近視抑制レンズの装用
多焦点ソフトコンタクトレンズとは?
日本での近視抑制方法としては、現在オルソケラトロジー(以下、オルソK)が主に用いられています。しかし、オルソKには矯正できる近視の度数に制限があり、度数が高い近視の子どもには適用できません。一方、多焦点ソフトコンタクトレンズ(以下、多焦点SCL)は、度数の範囲内であれば高い近視を持つ子どもにも処方可能です。世界には近視抑制効果が確認された多焦点SCLが複数あり、その使用が広がっています。残念ながら、現時点では日本で近視抑制効果が認定された製品はありませんが、海外で認定を受けたものと同じデザインの製品や、研究において近視抑制効果が報告されている製品は存在します。
EDOFソフトコンタクトレンズは、遠くから中間までピントを合わせる設計になっており、眼軸の伸長によって引き起こされる近視の進行を抑える効果があります。
※コンタクトレンズの使用が初めての方は、電話でのご予約をお願いいたします。
※ICL(近視に対するレンズ挿入手術)をご希望の方は、医師にご相談ください。
レッドライト治療
レッドライト治療は、近視進行抑制に効果があるとされ、専用の機械から照射される赤色光を用います。
1日2回、1回3分、週5日間の照射で治療効果が得られます。
※本治療は近視の進行を緩やかにする事を目的としており、近視進行を完全に止める治療ではありません。
Eyerising(アイライジング)近視治療用機器の概要
製品元 | Eyerising International |
製品名 | Eyerising近視治療用機器 |
3~16歳の小児の近視の進行を抑制するために開発された、家庭用の近視治療用機器です。機器より放射される650nmの低レベルの単一波長の赤色光を1回につき3分間、1日2回(治療間隔4時間以上)、週5日間(週10回まで)眼に当てることで、眼軸長の伸展を緩やかにし、近視の進行を抑制することができます。近視抑制治療の中でも特に効果が高く、近視の進行を最大87.7%遅らせることが示されています。
適応
対象年齢は3歳から16歳で、軽度から強度近視まで対応しています。
禁忌
- 斜視
- どちらかの眼に視機能異常がある場合
- どちらかの眼に眼球異常、またはその他の全身的な異常がある場合
- 眼球異常例(未熟児網膜症、網膜剥離、若年性黄斑変性症、網膜芽細胞腫、小児ぶどう膜炎などの網膜疾患がある場合)
- 遺伝性網脈絡膜疾患の家族歴がある場合
- 瞳孔散大(散瞳)の小児、またはアトロピン、シクロペントラート、トロピカミドなどの瞳孔散大を引き起こす可能性のある薬剤を投与した後(アトロピンは治療の最低2週前に中止すること)
治療方法
- 準備
- コンタクトレンズまたは眼鏡を外す。
- 治療開始
- 顔をアイマスクに接触させて、赤色光をまっすぐ見る。
- 瞳孔間距離調整ノブを使用して、赤色光の発光点が一つになるように合わせる。
- 治療実施
- 1回の治療時間は3分間で、治療中はできる限り眼をあけて赤色光を見る。
- 1日の治療回数は2回で、1回目と2回目の治療間隔は4時間以上空ける。
- 1週の治療日数は5日間、最大許容治療回数は連続7日間で10回とする。
副作用・リスク
短期的な副作用として、まぶしさ、閃光盲、残像が出る場合があります。症状が続く場合は、治療を中止し眼科医に相談してください。また、治療中に光過敏症や眼刺激、眼熱傷などの不快感が生じた場合も、同様に対応してください。本治療により網膜障害や視力低下の有害事象が報告されていますが、治療中止後に回復するケースがほとんどです。
料金のご案内
内容 | 料金 |
適応検査 | 13,200円 (税込) |
視力や眼底の検査費用 + 治療費用 + 検査費用 | 165,000円 (税込) |
ディバイス貸与 + 治療開始後1・3・6・12か月後の検査費用 | |
1年目以降 1来院ごとの検査費用(6ヶ月毎・年2回) | 11,000円 (税込) |
『近視遺伝子チェック』の
ご案内
『近視遺伝子チェック』とは?
近視は、遠くのものが見えにくい状態であり、遺伝もその要因の一つです。この検査では、近視に関わる様々な遺伝子を解析し、遺伝的に近視になる可能性の高さ(遺伝リスク)をお知らせします。
・ 本検査は医療・診断用ではございません。
・ 本検査により得られる情報は、医師による診断に置き換えられるものでも、補充するものでもありません。
・医師等の指導があるときは当該指導に従ってください。
・未成年の方が本検査を実施する場合は、保護者の同意が必要になります。
・『近視遺伝子チェック』は、消費者向け遺伝子検査です。
検査手順
- キット内の綿棒で頬の内側を擦って検体を採取します。
- 必要事項を記入した書類と共に検体を郵送します。
- 検体が到着してから約4週間後に判定報告書が郵送されます。
※検体採取前にキット内の説明書等をよく読み、内容を理解してください。
※詳細はキット内の説明書等をご確認ください。
※納期は事情により変更になる場合があります。
判定結果
20歳以上で近視ではない日本人集団と比較して、“近視の遺伝リスク”を5段階でお知らせしています。
20歳以上で近視ではない日本人集団と同等の近視の遺伝リスクが推定される場合は「3」、それよりリスクが高ければ「4」「5」、それよりリスクが低ければ「2」「1」と判定されます。